ふと気になって「花言葉 傲慢」と検索してみたあなた、もしかして誰かに花を贈ろうとしていたり、あるいは小説やマンガの創作ネタを探していたりするのではないでしょうか。
実は、美しい見た目とは裏腹に、傲慢や虚栄心、プライドといった少し怖い意味を持つ花は意外と多いんです。
デルフィニウムのようにその立ち姿が高貴すぎて傲慢と捉えられるものや、ギリシャ神話のアマリリスのように激しすぎる愛が由来になっているものもあります。
また、最近話題の小説『傲慢と善良』に登場するゼラニウムが本当に傲慢という意味を持っているのか、それとも偽りや裏切りといった別の意味が隠されているのか気になりますよね。
チューベローズの危険な快楽やダリアの移り気な性質など、知れば知るほど奥深い花の世界。
ここでは、そんなちょっぴり危険で魅力的な花言葉たちを、植物学的な特徴や神話のエピソードを交えて深掘りしていきます。
この記事のポイント
- デルフィニウムやアマリリスが傲慢とされる驚きの理由
- 小説『傲慢と善良』におけるゼラニウムの真の意味
- 創作活動に役立つ傲慢なキャラクターに合う花の知識
- 誤解を招かないための花を贈る際のマナーと注意点
花言葉で傲慢を意味する植物5選とその由来

花言葉で傲慢を意味する5つの花をご紹介します。
- デルフィニウム
- アマリリス
- チューベローズ(月下香)
- ダリア
- スイセン
「傲慢」という花言葉を持つ植物には、実はそれぞれの見た目や育ち方、あるいは神話に基づいたちゃんとした理由があるんです。
単に「性格が悪い」という意味ではなく、圧倒的な美しさや自信の裏返しとも言えるエピソードを知ると、その花の見え方がガラッと変わるかもしれませんよ。
次の章からそれぞれのお花を詳しく解説しますね。
デルフィニウムの傲慢な意味と由来
まず最初にご紹介したいのが、まさにそのものズバリ「傲慢」という花言葉を持つデルフィニウムです。
デルフィニウム、見たことはありますか?
青や紫の鮮やかな花が、縦にスラッと並んで咲いている姿は本当に美しいですよね。
でも、なぜこの花が「傲慢」なんて呼ばれるようになったのでしょうか。
実はこれ、植物学的な特徴が大きく関係しているんです。
デルフィニウムは太い茎に対して、下から上へと花が咲き上がっていく「ラセミ花序」という咲き方をします。
大型品種だと背丈が2メートル近くになることもあり、花壇の他の花たちを物理的に「見下ろす」形になるんです。
想像してみてください。
パンジーやペチュニアといった背の低い花たちの中で、一人だけ空に向かってそびえ立つ姿。
それはまさに、周囲を圧する「庭の王様」のような振る舞いに見えませんか?

また、この花の持つ「青色(デルフィニウム・ブルー)」もポイントです。
かつて青や紫は王族や貴族だけが身につけられる「高貴」な色でした。
つまり、「高貴」であるがゆえに、一般市民から見ると近寄りがたい「傲慢さ」を感じさせた、というわけです。
この二面性が、デルフィニウムの最大の魅力なんですよね。
アマリリスの虚栄心とおしゃべり
次にご紹介するのは、大輪の花を咲かせるアマリリスです。
この花には「傲慢」に近いニュアンスとして、「虚栄心」や「誇り」という花言葉があります。
この由来は、ギリシャ神話に登場する羊飼いの少女アマリリスの物語にあります。
彼女は、花を愛する美少年アルテオに恋をするのですが、彼は「見たこともない花を持ってこない限り、誰の愛も受け入れない」という、ちょっと高飛車な男の子だったんです。
そこで彼女はどうしたかというと、なんと神のお告げに従って、自分の胸を黄金の矢で突き刺したんです。
その血から咲いたのが、真っ赤なアマリリス。
命がけのパフォーマンスで彼の気を引こうとしたこの行為が、行き過ぎた自己顕示欲、つまり「虚栄心」の象徴とされたわけですね。

| 色 | 花言葉 | 由来のニュアンス |
|---|---|---|
| 全般 | 虚栄心、誇り | 自分を傷つけてでも美しさを誇示する姿勢 |
| 黄色 | おしゃべり | 花が四方八方を向いて咲く姿が、噂話をしているように見えるため |
特に黄色いアマリリスの「おしゃべり」という意味は面白いですよね。
太い茎の先に大きな花が集まって咲く姿が、貴婦人たちが集まってゴシップに花を咲かせているように見えることから来ています。
「口は災いの元」なんて言葉もありますが、傲慢な人は人の話を聞かずに自分たちの話ばかりする…そんな皮肉も込められているのかもしれません。
チューベローズの危険な快楽の意味
夜になると香りが強くなる魅惑的な花、チューベローズ(月下香)。
この花言葉は「危険な快楽」です。
「傲慢」とは少し違いますが、相手を理屈抜きで支配してしまうような、抗えない魅力を持った花ですね。

かつてヨーロッパでは、「夜のチューベローズ畑を通ってはいけない」と言われていました。
なぜなら、そのあまりに濃厚で官能的な香りに理性を失い、間違いを犯してしまう恋人たちが続出したからだとか。
自分の魅力で相手を狂わせる、ある意味で「ファム・ファタール(運命の女)」的な傲慢さを感じさせます。
創作活動などで、相手を魅了して破滅させるようなキャラクターのモチーフにするにはピッタリの花ですよ。
ダリアの裏切りと移り気な性質
華やかで「花の女王」とも呼ばれるダリアですが、実は「裏切り」「移り気」「不安定」という、かなりドキッとする花言葉を持っています。

この怖い意味の背景には、ナポレオンの皇妃ジョセフィーヌのエピソードが有名です。
彼女はダリアをこよなく愛し、自分だけのものとして独占していました。
しかし、ある貴婦人が庭師を買収して球根を盗み出し、自分の庭で見事に咲かせてしまったのです。
これに激怒したジョセフィーヌは、あれほど愛していたダリアへの興味を一切失ってしまいました。
「あんなに愛していたのに、簡単に捨てるの?」というダリア側の視点と、独占欲が崩れた瞬間に冷酷になる人間の傲慢さ。
その両方が「裏切り」という言葉に込められている気がしますね。
スイセンの自己愛とうぬぼれの由来
最後は、春を告げる花スイセンです。
花言葉はズバリ「うぬぼれ」「自己愛」。
英語でナルシストという言葉がありますが、その語源になったナルキッソスの神話が由来です。
ナルキッソスの物語美少年ナルキッソスは、その美しさゆえに多くの人から求愛されますが、高慢な態度ですべて拒絶しました。
その罰として、彼は水面に映った自分自身に恋をしてしまいます。
決して叶わない恋に憔悴し、やがて水辺で花(スイセン)に変わってしまいました。
自分しか愛せない、他者を受け入れないという態度は、まさに「傲慢」の極みと言えるでしょう。
水辺で下を向いて咲くスイセンの姿は、水鏡に映る自分をずっと見つめているナルキッソスの姿そのものなんですね。
花言葉「傲慢」と小説『傲慢と善良』
さて、ここからは少し視点を変えて、トレンドのお話です。辻村深月さんのベストセラー小説、そして映画化もされた『傲慢と善良』。
この作品のタイトルや表紙の印象から、「登場する花(ゼラニウム)の花言葉は傲慢なの?」と疑問に思っている方が非常に多いようです。
結論から言うと、これは少し違います。
ここでは、作品のテーマと花言葉の深い関係性について解説します。
小説『傲慢と善良』のゼラニウム
まず誤解を解いておきたいのが、ゼラニウム全般の花言葉は「傲慢」ではないということです。
むしろ、一般的なゼラニウムの花言葉は「尊敬」「信頼」「真の友情」といった、非常にポジティブで善良なものばかりなんです。
「えっ、じゃあなんで『傲慢』というタイトルの作品に使われているの?」と思いますよね。
ここがこの作品の面白いところであり、恐ろしいところでもあるんです。
実は、ゼラニウムは「色」によって全く違う顔を見せる花なんですよ。
白いゼラニウムの偽りと怖い意味
作品のキービジュアルや重要なシーンで印象的に使われているのは、白いゼラニウムです。
そして、この白いゼラニウムの花言葉こそが、物語の核心を突いています。

白いゼラニウムの花言葉
- 「偽り」
- 「あなたの愛を信じない」
- 「優柔不断」
どうでしょうか。
ポジティブなイメージのゼラニウムの中に隠された、この冷たい意味。「自分は善良な市民だ」と信じて疑わない人々が、無自覚に他者を品定めし(=傲慢)、本音を隠して生きている(=偽り)。
つまり、作者は「一見善良に見える花(ゼラニウム)」の中に、「偽り(白)」という意味を忍ばせることで、「善良な顔をした傲慢さ」を見事に表現しているわけです。
この深読みができると、作品の味わいが何倍にもなりますよね。
創作や贈り物での傲慢な花の扱い方
ここまで紹介してきた「傲慢」や「虚栄心」といった意味を持つ花たち。
これらをどう扱うべきか、シーン別にアドバイスしますね。

創作活動(イラスト・小説)の場合
キャラクターの性格を暗示するアイテムとして、これほど優秀なものはありません。
- 高貴で近寄りがたいキャラ:デルフィニウム(青)
- 高飛車なライバル・悪役令嬢:アマリリス(赤)
- 表向きは良い人だが裏があるキャラ:ゼラニウム(白)
- ナルシストな美少年:スイセン
このように使い分けることで、物語に深みが出ます。
贈り物にする場合
一方で、プレゼントにする際は細心の注意が必要です。
特に目上の方や、関係が繊細な相手にこれらの花を贈ると、「あなたは傲慢だ」というメッセージだと誤解されるリスクがあります。
どうしても贈りたい場合は、ポジティブな意味(デルフィニウムなら「清明」、ダリアなら「感謝」など)を記したメッセージカードを添えるのがマナーですね。
「あなたの高貴な雰囲気に似合うと思って」といった一言があれば、誤解も防げるはずですよ。
花言葉の傲慢を活用する総まとめ

今回は「花言葉 傲慢」をテーマに、デルフィニウムやアマリリス、そして話題作『傲慢と善良』にまつわるゼラニウムの秘密までご紹介しました。
花言葉における「傲慢」は、単なる悪口ではありません。
そこには、他を圧倒するほどの美しさへの畏敬の念や、神話の悲劇、あるいは人間の複雑な心理が隠されていましたね。
創作のネタにするもよし、人間関係の教訓にするもよし。ただ綺麗だけじゃない、花の持つ「毒」のような魅力を知ることで、あなたの世界観も少し広がったのではないでしょうか。
次に花屋さんでこれらの花を見かけたときは、その背後にある物語を思い出してみてくださいね。

